コラム

インプラントと天然歯はブリッジできるのか

2018年08月17日 (金)
インプラントもブリッジも、歯を失った場合にその部分を補う治療として行われる治療法です。インプラントが骨の中に人工歯根を立てて人工歯を被せるのに対し、ブリッジは歯がない部分に橋を渡すように両隣の歯に人工歯を被せてつなぎます。一般的にはインプラントの方が、治療費が高額になりますので、数本歯を失ってしまった場合に、インプラントと天然歯をブリッジにして繋げば、インプラントを埋め込む本数が減り、治療費が抑えられるのでは?と考える人もいるかもしれません。しかし、このようなことは実際に可能なのでしょうか?

歯を数本失った場合に天然歯とつなぐ「ブリッジ」は可能なのか

歯を数本失った場合に天然歯とつなぐ「ブリッジ」は可能なのか
インプラントは保険が効かない治療法ですので、1本埋めたとしても高額になります。歯を数本失ってしまった場合、全ての歯をインプラントするとなると、その数倍治療費がかかることになります。そのため、もし自分の歯が残っているならば、その歯とブリッジにして繋げば、確かに治療費を大幅に節約できることでしょう。また、インプラントを埋める手術も本数が減れば、体への負担もそれだけ軽くなります。

そのようなことを考えると、インプラントと天然歯をブリッジにすることはとても良い考えのように思われますし、技術的にインプラントの部分と天然歯をつなぐブリッジを作ることは十分可能です。しかし、実際のところ、インプラントと天然歯をブリッジでつなぐ、というのはあまり行われません。それはなぜなのでしょうか?実はそれには、インプラントと天然歯が周囲組織にどのようにくっついているかという違いが関係しているのです。

インプラントと天然歯とでは骨との結合の仕方が違う

インプラントは天然歯のような使い勝手が一番の魅力であるとも言え、新しく自分の歯が生まれ変わったかのように表現されることもよくあります。ですが、インプラントはあくまでも人工物であり、その骨への埋まり方というのは天然歯と徹底的に違うところがあります。その埋まり方の違いゆえに、「インプラントと天然歯を容易につなぐのは避けるべき」、とされているのです。それでは両者にどのような違いがあるのか見てみましょう。

■天然歯と骨との結合の仕方

天然歯の歯根は、実は骨に直接接しているわけではありません。天然歯の歯根と骨の間には歯根膜と呼ばれるクッションの役割を果たす組織が介在していて、物を噛んだ時に歯は若干沈み込み、噛んだ力が骨に直接加わらないようになっています。実際、健康な歯でも指などで押すと若干上下左右に動くのは、歯根膜があるからなのです。

■インプラントと周囲組織との結合の仕方

インプラントの歯根部分と骨の間には歯根膜は存在しません。インプラントは骨と直接結合しています。そのため、噛んだ力を緩衝するような部分はなく、インプラント部を押しても、インプラント周囲炎を起こしているなどない限り動くことはありません。

天然歯とインプラントには以上のような違いがあることから、噛み合わせの調整の仕方も違ってきます。

インプラントと天然歯をブリッジするとどんなことが起こりうるか

インプラントと天然歯をブリッジするとどんなことが起こりうるか
可動性のある天然歯と可動性のないインプラントをつなぐとどうなってしまうでしょうか。
インプラントは噛んでも沈み込むことがないため、天然歯よりも噛み合わせを弱めにしますが、それができていないと、インプラントの被せ物である人工歯部分が外れてしまうことがあります。さらに強い力がかかりすぎると、インプラント自体にダメージが加わって、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。また、動かないインプラントと繋がれた天然歯は歯根膜の機能が衰えてしまい、萎縮して動揺しなくなってしまうことがあります。もしそのようなことが起こった場合、天然歯は噛む力を緩衝するものがなくなってしまうため、割れたり折れたりしてしまうことがあります。このように、動きの違う2つの歯をつなぐということは、どちらかに負担がかかることを避けて通ることがとても難しいのです。

インプラントと天然歯をつなぐと、トラブルを起こすリスクが高くなり、最終的には天然歯を失うのが早まってしまうか、インプラントもダメになってしまいやすくなります。それゆえ、結果的にはさらに費用がかかってしまうばかりか、お口の状態も悪くなってしまいます。

数本歯を失った場合のインプラント方法

歯を数本失った場合、その歯の本数分インプラントを埋め込む場合というのはもちろんあります。また、ブリッジにして経済的に済ませたい場合には、インプラント間の距離を広めにして、インプラント同士をブリッジでつなぐという方法を取る場合もあります。インプラント同士であれば、骨との結合様式も同じですので、天然歯とつなぐようなトラブルは起こりにくくなります。

複数の歯を失った場合、どのようにインプラントを埋めるのか、インプラント同士をつなぐかつながないか、というようなことは患者さんの考え方、お口の状態、予算などによっても変わってきます。治療を行う前に担当医としっかり相談して決めていきましょう。

LINEで送る

Pocket


資料請求
各種クレジットカード
各種クレジットカード(東京・埼玉)
コラム
2018年09月23日
歯周病はもはや、歯を失うだけの病気ではなく、体の色々な病気の原因疾患となっている
2018年09月16日
歯がほとんどなくなってしまっている、歯が全然ない、という方にとって最もポピュラー
2018年09月9日
虫歯は甘いものをよく食べる子どもにできやすいイメージがあるかと思います。実際、虫